前々回【メールマガジン バックナンバー4】からテーマは
「補助金で採択されやすい事業計画書」についてです。
そのポイントを3つ挙げました。
① 課題設定
② 解決のためのストーリー
③ 客観性と数値
①の「課題設定」では
補助金の申請では、自社の課題を補助金の政策上の課題とを一致させる必要がある、と申しました。
②の「解決のためのストーリー」では、
良い経営計画(事業計画も)にはすべて、一定のパターンというものがあるとお話しました。
そしてその型は、昔話から現代の映画まで、古今東西、次章で述べるような普遍的な
物語構造を持っているのです。
戦略ストーリーにおける物語構造
経営計画とは戦略ストーリーのことです。そこには以下のように順番にステップを踏みながら
展開していく物語構造があります。
1)【現状】
自社の現状、特に会社のある強みがあって、 お客様の支持を得、事業を続けていた。
(農場手伝いの青年ルークは おじ夫妻のもとで平凡にくらしていた)
↓
2)【課題の発見】
ところが環境変化(市場変化など)が起こり今までの強みや、やり方では対処できなくなった
(ふとしたことで手に入れたドロイドにより、帝国軍にとらわれたレイア姫の秘密を知り、救出に向かう)
↓
3) 【解決方法の模索】
自社に不足しているものは何か? 例えば、新しい設備や技術が必要であると気づく。
(旅に出たもののサンドピープルに襲撃されライフルで抵抗するがコテンパンにやられる)
↓
4)【外部の助けを得て解決する】
例えば補助金をつかって設備や技術を獲得する
(オビ=ワンに助けられる。ライフセーバーを渡され、自分がジェダイの戦士であることを
告げられる)
5)【解決後のイメージ】
課題を解決し、最終目標を達成する
(いろいろあって、デス・スターに捕まったりするが最後はレイア姫を救出して反乱軍を破り
金メダルをもらう)
1)~5)はつまるところ、様々な困難を知恵や勇気で克服し、成長していく主人公(ここでは会社)という
ストーリーです。
上記はスターウォーズ エピソード4ですが他にもいろいろ同じようなパターンを思い浮かべられますね。
補助金申請におけるストーリー
話を補助金に戻します
経営を戦略ストーリーと捉える考え方はどんな状況でも非常に有効です。
そして、補助金申請ではそのストーリーは、その補助事業(国の政策)のストーリーと
合致している必要があるのです。
どの補助金にも、行政の側の中小企業にこうあって欲しいという願いがこめられています。
それは「①課題設定」の時もそうでしたね。
行政側の考えるあるべきストーリーとは次のようなものです。
小規模事業者持続化補助金のケースでお話します。
(公募要領の冒頭の必ず書かれています!)
「小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の 経費の一部を補助する。
地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを
目的とします。」
これを物語の型で表します。
1) 【現状】
その小規模企業は地域に密着し貢献している事業者である。
↓
2) 【課題の発見】
最近売上が落ちてきた。 課題は新規顧客獲得、販路開拓である。
↓
3) 【解決策の模索】
新規顧客開拓に必要な商品を生産するための、設備費と広告費が不足している。
↓
4) 【外部からの支援、新しいリソースの導入】
小規模事業者持続化補助金がその経費の一部を補助する
↓
5)【解決後のイメージ】
設備を導入後新商品を開発し、広告する。
新市場を開拓することにより、 当企業の生産性向上と持続的発展が達成される。
つまり最終的には、自社の成長の戦略ストーリーを公募要領に書かれている
かくあるべきというストーリーに合わせて、立案する必要があるのです。
そして、それができれば、申請書の採択率がぐんとアップします。
そして、いよいよ次は「③ 客観性と数値」です。
ここをクリアすれば、補助金申請は万全なものになります。
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