♯33 来年度の補助金動向①~高市政権誕生で何が変わるか?

高市首相の登場で、国及び都のトップがともに女性になり、
しかも2人とも“積極財政派”という歴史的な体制になりました
(財務大臣も女性&積極財政派ですね)。

それが、来年度の中小企業支援策や補助金に対して
どのような影響があるでしょうか?

目次

国の動き:高市政権が示す「小規模企業への再注目」

(1)これまでの動き
ここ2.3年の政府方針は「投資効果を重視する成長支援型」。
中堅企業やスタートアップ支援が中心で、
小規模事業者は軽視されていました。

「時代に生き残れない低収益の小企業は撤退してもらってもかまわない」
という本音が政策の中に垣間見えてました。

ある財務省の高官は
「投資効果のないところに予算は落とさない」と
語っていたほどです。

実際、2025年度の主要補助金の採択率は、のきなみ30%台。
なかなか厳しい結果でした。

(2)国の政策~今後について

総理大臣に高市早苗氏が就任し、
所信表明でも「大胆な『危機管理投資』による力強い経済成長」という
文言が出ています(首相官邸ホームページ)。

日経新聞の記事によると
「小規模な企業でも賃上げをする企業はどんどん支援したい」と
語っています。(出典 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA160F00W5A011C2000000/)

★ポイント
新首相の登場で小規模企業の政策上のポジションがどう変わるか注視しましょう。

東京都の動き 小池流・独自支援

都の動きでは、小池百合子都知事が
令和7年度の「東京の中小企業振興を考える有識者会」で、
中小企業を「東京・日本の経済令和7年度のを支える活力の源泉」と位置づけ、
イノベーションや変化対応を鍵として語っています。

小池知事は従来、国に対向する形で補助事業や制度を拡充してきました。
特に、都知事選と議会選の年にはかなり積極的に実施しています。

来年は選挙はありませんが、
高市総理と小池都知事はかつて自民党内でライバル関係。
この「政策競争」が、結果的に
中小企業支援を厚くしてくれるかもしれません。

来年にむけて~採択されるために

(1)賃上げ・効率化(DX)・高付加価値化がポイント

・この3つはこの数年来、重点事項となっています。
 来年も同様でしょう。

・また補助金の申請要件、審査や採択後の報告など昨年から一段と
 厳格になりました。
これも変化はないでしょう。


★ポイント
賃上げ・効率化(DX)・高付加価値化

(2)採択されるために大事なこと

 ①補助金の趣旨(賃上げ、DX化、付加価値化)に 整合性を持たせること。

  「この補助金を使って何を実現するか」「どれだけ効果を上げるか」の
  戦略ストーリーが 以前にも増して重要になります。

  ★ポイント
  設備投資だけでは不十分です。
  補助金の目的(例えば「賃上げ」や「付加価値向上」)と
  リンクしているかが問われます。

 ②事業計画には長期的視点で

「単年度で終わる」「効果が定性的だけ」では厳しいです。

“投資効果”に対して、定量的・具体的な裏付けを示す必要があるのです。

 たとえば「導入後何年で何%効率化」
 「賃上げによって何人増える」「売上何%向上」など。

③ 制度要件をしっかり確認しましょう。

 同じ補助金でも申請枠や申請条件によって
 補助金・助成金の助成率や限度額が別々に
 設定されている
こともあります。
 確認して申請準備しましょう。

⑤改善のストーリーを描くこと。
 「現状→課題→帰結策→導入後の変化(数値目標)」という流れを明確に。

★ポイント
戦略ストーリーはとっても大事です。
ストーリーの作り方は、当ブログの♯002、♯003、♯004をご参照ください

⑥周辺との協力体制をつくる。
 来年度の公募要件が出るまでに
 アイデア段階でも社内合意・関係者巻き込みを
 進めておくこと。

 補助金公募は要件が固まった段階から
 駆け足になるケースが多いのです。

⑦補助金申請支援に強い専門家と協力する
 中小企業診断士・補助金コンサルタントに相談して、
 書類の質を上げる のがおすすめです。

まとめ

① 補助金は“制度が出てから考える”のではなく
「出た時にすぐ動けるよう準備しておく」ことが大切です。
積極財政が動く今こそ、事業計画を見直す好機です。

② 来年度は、国・都のトップが女性で、かつ積極財政派という
“小規模・中小企業にとって追い風” の状況が生まれつつあります。

③ 特に申請を目指す方は「賃上げ」「DX化・効率化」「高付加価値化」という
3つのテーマを踏まえて、
早めに経営計画・事業計画を開始しましょう。

★ポイント
まずは専門家に相談して、 自社に最適な補助金の使い道を
一緒に考えてみましょう。
ぜひ、次の補助金申請でチャンスをものにしてください!

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