2025年秋の補助金シーズンが間もなく始まります。
また、10月1日には全国都道府県で,最低賃金引上げの適用実施が行われます。
(地域によっては発効日が異なる場合があります)
最低賃金引上げと補助金の間には実は、抜き差しならぬ(?)関係があります。
応募する企業で、場合によっては、短期間に2~3度ほど賃上げを行う必要があるのです。
以下、詳しく見ていきましょう。
秋の補助金公募
公募が行われる、国の補助金は以下です。
今回は「第18回公募 小規模事業者持続化補助金<一般型>」を例にして
ご説明します。
10月の最低賃金引上げ
最低賃金は、毎年8月下旬〜9月に見込み金額が都道府県審議会により決定されますが、
一部地域について以下のように、すでに下記の目安額が報道されています。
※時給換算
東京都:1,226円(昨年比+63円)
神奈川:1,225円(昨年比+63円)
大阪府:1,177円(昨年比+63円)
千葉県:1,140円(昨年比+64円)
申請を行う月の、直近1カ月の賃金が問題
① 応募申請時点で、事業所内の最低賃金が 所在地の都道府県の最低賃金を
上回っていなければ なりません(実際は直近1カ月の給与が対象)。
② 事例:東京都にある企業の場合
2025年9月時点で事業所内最低賃金が、都の最低賃金と同じ1,163円だとします。
応募が11月の場合、当然10月には1,226円以上(推測)にする必要があります。
これがまず、第1回目の賃上げですね。
10月1日の最低賃金 引上げ、うっかり忘れやすいのでご注意くださいね。
(この条件が満たされなければ採択されません。)
「加点項目(賃金引上げ)」と賃金引上げ特例」のちがい
賃金引上げの加点項目や特例を選択して応募する場合、
応募者は、事業内最低賃金の賃上げを行うことで、
採点時に以下のアドバンテージの取得が可能です。

① 「加点項目(賃金引上げ)」とは
条件を満たせば、採択審査の時に加点される項目です。
採択の可能性を高め、審査を有利に進められます。
※補助額が引き上げられるわけではありません。
<加点条件>
補助事業の終了時点(※1)において、事業場内最低賃金が
申請時より+30円以上であること。
② 「賃金引上げ特例]
条件を満たせば、補助上限50万円に150万円が上乗せされ
200万円になります。
<特例の条件>
補助事業の終了時点に(※1)おいて、事業場内最低賃金が
申請時より+50円以上であること。
賃金引上げ特例を希望した場合、賃上げ加点が自動的に適用されます。
賃上げモデル(例 第18回公募 小規模事業者持続化補助金)
2025年10月1日の「最低賃金引上げ」から、応募申請~事業実施の間の
賃上げ例について、以下図でまとめます。
※注意:補助事業期間に2026年10月1日が含まれる場合
再度、事業内最低賃金を引き上げる必要があります。
申請時に枠や加点、特例を選択した場合の賃上げ要件を見てみましょう。
①通常枠(加点も特例も使わない場合)→最低賃金引上げ2回になることがある
②加点項目を使った場合 →事業内最低賃金引上げ3回になることがある
③賃上げ特例を使った場合→事業内最低賃金引上げ3回になることがある

まとめ
最近、この補助金も実施回数が減らされ競争率が高くなりました。
採択の確立を高めるためにも、賃上げ加点や特例を検討される方が多いと思います。
ただ、賃上げ自体がけっこう小・中規模事業者には厳しい条件であり、
長期的・持続的に経営に影響があるので、ぜひ、無理しない事業計画をご検討下さい。
また、補助金以外にも小規模事業者向けに設定された制度融資があります。
自治体と地元の金融機関(信用金庫)が連携して、小規模事業者にやさしい条件で
融資する制度です。
資金が必要になったら、いろいろな支援策を検討してみて下さいね。
コメント