前回同様、時事ニュースがテーマです
今回のお題は「選挙と補助金について」です。
選挙の年に補助金に起こること
通常、不況になると政府の予算が増えます。
不況対策だけでなく、新型コロナの流行中は
大型の予算が組まれ、補助金の新設や拡張が相次ぎました。
また、選挙の年も予算が増えます。
(与党が支持層の中小企業者から票を呼び込もうとするため)
補助金を申請したい企業や、我々のような支援業者にとって
チャンスの時でもあります。
2024年(昨年)は7月に都知事選、10月に衆院議員が行われました。
本年(2025年)もまた選挙の年です。
6月は都議選、7月は参院選でしたね。
本ブログでは、昨年(2024年)、補助金市場において
どんな事が起きたか?
それを踏まえて今年(2025年)はどのような状況に
なりつつあるのかを簡単にお伝えし、
今後の皆さまの補助金獲得戦略に、
お役立ていただきたいと思います。
新型コロナ~補助金バブルの到来( 2020年)
・新型コロナの時期に中小企業の
国が行う支援策のひとつとして
補助金を提供するという方法がとられました。
補助要件や審査基準を緩和したり、
新しい補助事業を新設したりしたのです。
特に「事業再構築補助金」が新設されたときは
建物にかかる費用が(改修だけでなく新築も)
補助対象になったということで
大きな話題となりました。
多くの不動産、建設業者が補助金を
物件や事業提案とともに売り込みに奔走しました。
補助金バブルの到来です。
ところが採択されても、1~2年で
立ち行かなくなり事業を中止したり、
補助金の返還が行われたりなど、
不良債権化が目立つようになりました。
さらに支援としての成果が見えないことから
「ばらまき」「税金の無駄使い」、
「成果が見えない」という多くの非難を
経産省が浴びる事になったのです。
補助金バブルの結末(2024年)~採択率 激減
その結果行われたのが、審査の厳格化です。
2024年の補助金の採択率の変化を見てみましょう。
募集回数を追うごとに短期間で下がっているのが分かります。


ものつくり補助金は令和2年(2020年)の
コロナ流行前の採択率が62%ぐらいです。
それと比較するとかなり、2024年は意識的に
審査基準が厳格になり、採択数が絞られたのがわかりますね。
大型選挙を控えて中小企業向け支援を拡充したい政府。
しかしこれまでの多くの批判を受けたため
バラマキ型の補助金支援はできなくなりました。
また大量の採択合格者を出したために、
事務局の業務も停滞しました。
東京都が中小企業向け助成金を強化(2024年)
国の対策が停滞する中で、 都知事選を7月に控え
東京都は着々と中小企業支援策を打ち出してきました。
2024年は「備投資緊急支援事業(最大1億円)」
「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(最大800万円)」
が新設されました。
特に「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(最大800万円)」は
毎月公募があるという、キメの細かい支援体制となっています。
2025年の補助金はどうなる?
(1)「事業再構築補助金」は残った!
「補助事業終了」という大方の予想を裏切って
「事業再構築補助金」は名称を「中小企業新事業進出補助金」
に変えて継続されました。
実は、私と私の周辺の仲間たちは「継続」と予想してました。
そしてその通りでしたね。
あまりにも評判が悪かった当補助金ですが
一度始まった補助金は既得権化します。
廃止するとすると相当な抵抗があったでしょう。
それに選挙の年で内閣支持率があれだけ低ければ
廃止するという選択肢はないはずなのです。
(2) 2025年・国の補助金の採択率は?
「中小企業新事業進出補助金」は第1回公募が
始まったところなので現時点では不明です。
しかし、直近のものづくり補助金の
18次公募(2024年6月締切)では35.8%に低下しています。
事業再構築補助金も第11,12回は20%台です。
採択者の絞り込みは今後も変わらず、
本年も同様の経過をたどると思われます。
ただ申請要件や採択後の達成基準が
厳格化したので、応募数自体が減る可能性は
高いと予測しています。
そうすると、採択率自体は高めに変化する
ことになるかもしれません。
今年度は採択率よりは採択数に注目し
慎重に戦略を立てていくことが必要でしょう。
2025年の補助金はどうなる?(東京都の場合)
避難にさらされ、審査を厳格化し
体制の立て直しを迫られて
停滞している国の補助の間隙をぬって
新たな施策を次々と打っていった東京都。
設備投資支援事業のラインアップの充実ぶり
が目立ちます。
また、最近国が消極的になっている
小規模事業者向けの補助事業も新たに設立しています。
次回は…
東京都の主な設備投資向け補助金、
本年度の豊富なラインアップをご案内いたします。
※今後も当ブロぐでは最新の状況を踏まえ
補助金と経営に役立つ情報をお送りします。
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