#21 トランプ関税と補助金

今回の話題は「トランプ関税と補助金について」です。

(2025年5月20日時点)

目次

優先採択について 経産省【米国関税措置に関する支援情報】

経産省の下記ホームページにて、
米国の追加関税措置により大きな影響を受ける事業者については
審査時に考慮し、優先的に採択をすると発表されています。(2025年5月8日)

※経産省・中小企業庁(ミラサポplus)
https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/28582/

対象となるのは、以下の補助金です。
(2025年5月20日時点)

①ものづくり補助金(20次公募)
(公募開始:2025/4/25~締切:2025/7/25)

https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html

②新事業進出補助金(第1回公募)
(公募開始:2025/4/22~締切:2025/7/10)

https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp

それでは優先採択の対象となる業界はどれでしょうか?

優先採択対象となる業界 

米国の追加関税の影響をうける業界は以下のとおりです。
※2025年5月19日現在

基本的にすべての日本の輸出品は10%以上の関税がかかるのですが
特に影響が多いものは次のとおりです。

【1.関税率:25%のもの】
 ① 自動車および自動車部品
  適用開始日:2025年4月3日(自動車)
        2025年5月3日(自動車部品)

 ② 鉄鋼およびアルミニウム製品
   適用開始日:2025年3月12日

【2.関税率:10%(将来的に24%の可能性】
 ③ 生産用・業務用・汎用機械

【3.関税率:10%のベースライン関税】
 ④上記以外のすべての日本からの輸出品。

【4.関税率:関税の対象外】

※優先採択の対象外となる見込み
 ⑤ 電子機器および半導体関連製品の
  一部の製品
 例:スマートフォン、ノートパソコン、
   半導体デバイス、集積回路製造装置など

【その他】
 一時的に停止されていた24%の相互関税は、
 2025年5月14日から90日間の猶予期間あり(2025年5月20日時点)

※上記の対象・非対象業界は、今後流動的に変化していくものと思われます。
 日米政府間の交渉の経過やニュースに注目しましょう。

補助金申請するうえでの対策は?

【当ブログでお知らせが遅れた理由】

・最初、5月9日に上記の経産省の発表を見たとき、 かなり戸惑いました。
 発表文からは、あまりにも漠然として誰に対しどの程度優先するのか、
 その基準は何なのかが、判別がつかないからです。 

・対策が全くご提案できないので、しばらく次の発表を待つことに

 していたのです。

 これがお知らせをするのを、 本日まで控えた理由です。
 遅くなり大変申し訳ありませんでした。 

・しかし、今後も当面の間、事態は混とんとし続けるでしょう。

 加えて優先採択対象業界かどうかに限らず
 補助金の全体に大きな影響があることであります。
 従って本日、思い切ってお知らせすることにしました。

【申請する側の対策は?】

・申請する側はなにをするべきなのかが、現時点では明確には判断がつきません。
 どうやら採択する側が、審査時点での状況をみて判別すると

 思われます。

・だからと言って、申請側が何も対策がとれないわけではありません。
 締切近い7月初旬まで状況を見極めて、
 自社の事業に対し関税の影響が大きいと判断されましたら、

 事業計画に以下のような内容を加えることも

 一つの対策となります。

 「追加関税により、今後の業績が不透明となる見込み。
 不安定化を回避するためにも、補助事業として高付加価値の事業へ
 進出し、危機につよい事業体制を構築する…etc」

そして、補助対象となる事業(設備投資や新事業進出など)が

当社にとって有用なリスク分散や回避となるという、

明解なストーリーを展開することが必要です。

他の業界の採択率への影響

・こちらもまだ不明です。
 少なくとも優先対象外の電子部品の一部や、上記以外の業界の
 採択はやや狭き門になる可能性が大きいです。

・またいつまで優先採択が続くのかについても、不明です。

「VUCA時代」の経営とは?

※VUCA時代とは先行きが不透明で、

将来の予測が困難な時代のことを指して言います。

いままでは、「経営者は世の中がひっくりかえるような
大事件は5年に1度は覚悟しましょう」と言われていました。

いまでは最近5年間だけでも、これだけの変化が起きています。

 ・新型コロナのパンデミック
 ・ウクライナ戦争
 ・急激な円安と物価高
 ・国内の震災と水害の頻発
 ・中東状況の悪化(イスラエルのガザ侵攻)
 ・AIの進歩と普及
 ・中国の台頭(技術・科学のある領域では世界トップとなる)
 ・トランプ関税

VUCAj時代を生き残れる会社とはどんな会社か?
これは企業の大小は関係ないようです。

老舗1000年企業に学ぶ

一つのヒントとして
日本には200年~300年と時代をこえて生き残った老舗の企業が多いという、
世界に類をみない特徴
があります。

これに学んではどうでしょう?

例えば下記の企業の共通点は何でしょうか?

●老舗の例

【金剛組】578年創業(寺社建築)

【西山温泉 慶雲館】705年創業(旅館業)

【虎屋】室町時代創業(和菓子)

【月桂冠】1637年創業(酒造)

【山本海苔店】1849年創業(食品)


VUCA時代を生きるには

変えるべきこと、変えてはいけないことをしっかり見極めて

正面から変化をうけとめ、普段から危機に強い態勢を整え
経営体質を強化していく覚悟が必要と考えます。

※今後も当ブログでは最新の状況を踏まえ
補助金と経営に役立つ情報をお送りします。

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